銀の弾丸

プログラミングに関して、いろいろ書き残していければと思っております。

JavaScriptでマイクロ秒単位の定期処理を実行する(npm fractional-timer)

JavaScriptで1ミリ秒より短いインターバルタイマー処理を提供するモジュール fractional-timer のご紹介。

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Link: Flickr PAGE - CC BY-SA 2.0

実際のところ、精度はよくありませんので、クリティカルな用途には向きません。 単純な処理をなるべく高速にタイマーで実行したいけど、標準タイマーの1ミリ秒では遅すぎる・・・といった時に使える感じ。 処理が重い場合は、呼び出し間隔は長くなります。

Chrome と Node.Js で、正しく動いていることを確認していますが、 FirefoxやEdgeでは、まともに動いていなかったので、ご注意下さい。

使い方

使い方は遅延時間に実数を指定できる点を除けば、標準のsetIntervalclearIntervalと同じです。 遅延時間は標準と同じくミリ秒単位で指定します(0.1=100マイクロ秒)。

以下のように呼び出すことで、タイマーの数と遅延時間等を調整して、定期処理を実行します。

(function() {
    "use strict";
    var ft = require("fractional-timer");
    var ftid = ft.setInterval(
        function(){
            ft.clearInterval(ftid);
        },
        0.001);// 1 microsecond
}());

インストー

npmでインストールすればNode.jsから使えます。

> npm install fraction-timer

ブラウザのWEBアプリでは、browserifyrequire するか、 scriptタグで読み込んで、FractionalTimerクラスの静的メソッドsetInterval/clearIntervalを直接使ってくださいね。

リポジトリ

www.npmjs.com

github.com

その他、能書き

やっていることは単純です。複数のインターバルタイマーで一つの処理を呼び出しているだけです。

例えば、1マイクロ秒で実行したい場合、1ミリ秒のタイマーを1000個使って呼び出すということです。

実際には、指定された間隔から算出される単位時間あたりの実行回数を計算し、タイマーの数と間隔を自動的に算出、ベストエフォートで呼び出します。

MZ-700フルJavaScriptエミュレータ」で、エミュレーションをワーカースレッドの定期処理で実装していて、当初は単一のインターバルタイマーで、最も高速になるように調整していたのですが、ある時タイマーが二重に動いてしまったことがあって、速度がなんと2倍程度に跳ね上がっていたのです。

「うわあ!世紀の大発見!!!」と思ったけれど、単一スレッド内ではシーケンシャル動作が保証されているので、当然の挙動なんですよね。

ただ、こういうことをやってる人があまりいないところを見ると、需要はないみたいなんですけどね(笑)