package-lock.jsonの潜在的セキュリティ脆弱性を解消しました
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昨年12月末、GitHubに置いてる自作npmのリポジトリに「潜在的なセキュリティの脆弱性がありますよ」ってメッセージが表示されるようになって、 「公開しているnpmのリポジトリに、こんなの表示されたらかなわんなあ」と思いながらも、 なんか怖いし対処法も分からんし、2週間ぐらいは見て見ぬふりしていましたが、この度正しく対処してメデタク解消致しました。
結果的には大したことはしていませんが記録として書いておきます。
関連する最新記事(↓): なんとワンクリックで対処できるようになってます。 takamints.hatenablog.jp
潜在的セキュリティ脆弱性があるらしい
何やら怪しげなメッセージは、コチラ(↓)です。
”potential security vulnerabilities”が「潜在的セキュリティ脆弱性」。
文章部分を、ちゃんと翻訳すると以下のようになりますね。
We found potential security vulnerabilities in your dependencies. Some of the dependencies defined in your package-lock.json have known security vulnerabilities and should be updated. Only the owner of this repository can see this message.
「わたしたちは、あなたの依存パッケージに潜在的なセキュリティ脆弱性の可能性を見つけました。 あなたの package-lock.json 内の依存パッケージのいくつかは、既知のセキュリティ脆弱性があり、これらは更新されるべきです。 リポジトリのオーナーだけがこのメッセージを見ることができます。
最後の一文でホッとしましたが、どうすりゃいいかはわからない。 とりあえず「Review Vulnerable dependencies」ボタンを押せば、以下(↓)の詳細が表示されます。
このページ、昨年末にGitHubに追加された機能ですね。「早速動いているんだな」と当たり前のことに感心しました。
それはさておき、どうやら markedの 0.3.6
に脆弱性があるようです。
そして、小さなドロップダウンを開くと、修正された 0.3.9
以降に更新すればいいよと言ってるようだ。
ただし自作パッケージではmarkedを使用していません。依存パッケージのどれかが依存しているのでしょう。
package-lock.jsonを編集するのはよろしくないかも
最初は単純に package-lock.json に記述されてる marked のバージョンを 0.3.9
に書き換えればよいと思いましたが、そうでもなさそう。
セマンティックバージョニングを厳格に適用するなら、以下の理由によって正しく動作する保証がありません。
- marked に依存しているパッケージは
marked@0.3.9
で動かされた実績がありません(パッチレベルのバージョンアップですので実際には動くかもしれませんが、それでも確証はありません)。 - markedのメジャーバージョンは0(=正式リリースされていない状態)なので互換性が保証されない可能性があります。
- package-lock.json は古いバージョンに固定したい(勝手に新しいバージョンが使われないようにする)時に使うものだと思ってます(あってますかね?)ので、新しいバージョンに固定するのは気持ち悪い。
ということから、直接 marked に依存しているパッケージを更新し、marked@0.3.9
以上に依存するのが安全ぽいという結論に。
どいつが依存しているんだ?
しかし、package-lock.json を開いても、どのパッケージがmarkedに依存しているかという情報はないのですね。
npmの依存関係は npm ls
で全部表示できるのですが、恥ずかしながらこの時スッカリ忘れていまして、findとgrepで node_modules以下にインストールされた全パッケージのpackage.jsonからmarkedをゴリゴリ検索しちゃいました。これ結構時間がかかりますので良い子は真似しない。npm ls
はnode_module以下を見ずに依存ツリーを表示してくれるのでこちらが標準。
$ find . -name 'package.json' -exec egrep -H '^\s*"marked"' {} \; ./express/package.json: "marked": "0.3.6", ./jsdoc/package.json: "marked": "~0.3.6", ./marked/package.json: "marked": "./bin/marked"
はい出ました。expressとjsdocでした(最後の行はmarked自身)。
あとは更新してプッシュ
どちらも、npmで確認すると新バージョンが出ておりまして、それぞれ修正済みのmarkedへ依存していました。 そこで、この2つのパッケージを最新版に更新し、package-lock.json も更新し、 GitHub へアップすれば一件落着。
Push後すぐにはメッセージは消えませんでしたが、少なくとも1時間後には消えていました。
まとめ
- ちょっと邪魔くさかったけど、定期的に npm-check-updates してればこういう目に合わなくてよいのかも知れないなと。
- npm 5で追加されたpackage-lock.jsonについて、きちんと理解する必要があると痛感しました。